くろめの記録置き場

ドラマや映画の感想等の備忘録。(あくまで個人の感想です)

映画『イコライザー』感想

評価:67/100

もう一度観たいか?:観てもいいレベル。

DVDが欲しいか?:DVDまではいいかな。

 

良質なアクション映画でした(※一部グロめの描写があるので苦手な方は注意)。

 

この映画はなんも知らないで観た方が驚くと思います。

ただ完全に主人公の設定を語らないで映画の感想を書くのはこの映画に関しては難しいので本当に主人公の設定もなにも知らない人はブラウザバックして観た方がいいかも。

あらすじくらい読んだ人はそのままどうぞ。

と、いってもこの映画は早急にネタバレ含めて書きますので本気でネタバレを避けたい方は読まない方がいいかも。

 

 

 

 

 

一言:良質なアクション映画。

十九秒で殺すシーンは華麗過ぎて何度も観てしまった。

「主人公が強過ぎる……! カッケエ~!!」となるがしかし完全にひとりで解決するのではなく某シーンでサブキャラが活躍するところもいい。

エグい殺し方(ワインオープナーで顎を抉って口の中からねじねじの部分が出てくる、描写は控えめだがドリルで頭を貫通する等)やいたたたなシーンもあるのでそういうのが苦手な人は注意。

 

 

【登場人物紹介】

 

ロバート・マッコール:主人公。黒人の男でホームセンターの正社員。穏やかなおじさんだが実はクソ強い。

テリー(本名はアリーナ):出番は少ないがマッコールがイコライザーをやるきっかけとなった娼婦の女の子。本当の夢は歌手。

マンディ:友達。

テディ(本名はニコライ):敵側のやべーヤツ。今作のボス。

ラルフィ:マッコールの現同僚で友達。警備員になりたくて頑張っている。実はいいヤツ。

スーザン:マッコールの友達で元同僚。夫はブライアン。

スラヴィ:アリーナを見せしめにICU送りにした挙句「アリーナを九千八百ドルで解放してくれ」というマッコールのお願いを笑って却下したため約十九秒で華麗に殺された一味の頭。ゲス。

プーシキン:一番偉い組織の頭。ニコライの上司。

フランク:汚職刑事その3くらいのヤツ。でもちゃんと償った。

 

 

 

やべーヤツ(ニコライ)が出てきてマンディを部屋に入れて……辺りまでを大分前に観て(マンディどうなるか怖くて観るのやめた……)そこから観直しました。

なので序盤はちょっと曖昧かも。

実況感想は途中まで書きましたがどっかにやったので簡単めな感想。

 

「TUEEEE! カッケエ~!!」ってなるシーンが多い。

アクションシーンがちゃんとカッコ良いのね。

鏡のおじさんのとこは暗いわ二人とも黒人ででかいのもあってなにがなにやらになったけど……。

ストーリーも『バタフライ・エフェクト』のような伏線がどうとかそういう練りに練られた感じというかどんでん返し等はないが、主人公が安定の強さでハラハラしながらも信頼できるし主人公の行動が一貫していていい。

同じ元やべー職業の男のアクション映画でも『96時間』を観た時はもっとこう……アクションもそこまででもないしストーリーもアレというか主人公サイドがなにしてんねんという感じだったが…………。

こっちはいいですね。『96時間』の主人公みたいに一般人も害すことないし、モヤモヤもない。

基本敵にも改心のチャンスをやる。

穏やかで読書家で愛妻家で、友達の警備員試験を応援し励まし時に助ける、悪をゆるさず、善を助け、なるべく一般人を巻き込まないようにする…………主人公に好感を持てる要素があっていいですね。

個人的な好みは『バタフライ・エフェクト』や『手紙は憶えている』のようなストーリー重視の作品なのでこちらはガッツリ好みではなくそこそこ上程度の評価にはなってしまいますが、クオリティの高いアクション映画としておすすめできます。

 

アクションシーンは強さ、手際の良さ、スタイリッシュさが伝わってきていいですね。

「十六秒だ」で腕時計のストップウォッチをピッてやってそこからがもう強い強い。

鮮やかな手腕で瞬殺して行く。

そりゃあっという間に殺されますわ……観客すらポカーンだもの。

あっと思っている間にみんな死んどる……。

殺し自体もいいんだけど、なんか特に好きなのは両手に持ったワインオープナーを放ってストップウォッチを確認するところかな。

ワインオープナーがアニメ『BLACK LAGOON』の張さんが双子相手に銃を抜くシーンに似ててカッコ良い。

 

 

 

……と、この辺がネタバレにそんなにならないくらい?

以下はネタバレ含む。

 

 

 

アクションシーンの演出もいいよね。

スプリンクラーの雨の中の登場とかもね、めちゃくちゃカッコ良いよね。あそこ好き。

一斉にブレーカー(照明)落ちるとか、何処にマッコールが潜んでいるのかわからない中ホームセンター中に音楽が鳴り出すとか、ああいうのやられたらめちゃくちゃ怖いだろっていう演出も好き。

 

アクションシーンはいくつかありますが、やっぱり一番好きなのは初戦闘の十九秒のシーンですね(立ち止まったところからスラヴィに語り掛けるまで)。

けど有刺鉄線で絞殺(?)とか有刺鉄線の血に気付いて見上げた途端高枝切り鋏で切られるとか酸素とプロピレンレンチンとかあの辺のえげつなトラップもいいですねー素手や銃、刃物だけでなくトラップもあるというバリエーションの豊かさ。

ホームセンターにある、日常の物でえげつなく殺されるという温度差。

やられる方はたまったもんじゃないけどいいよね。

ほのぼのホームセンターがお化け屋敷に様変わりした嫌さというか。

 

ただやっぱまあえげつない。

ワインオープナー顎貫通で飛び出してるのとか有刺鉄線首吊りとかドリルで頭貫通とかグロいんじゃ。

描写自体は内臓飛び出るみたいな具体的なグロさはないからマシだけどね。

『拷問男』とかのがやっぱあだだだだだってなるし……。

傷口に温めた蜂蜜塗るシーンもいたたたただけど、あれって普通なんか……?

熱したドアノブかなんかで血を止めてたのも痛いなぁ。

 

あの「十六秒だ」っていった後ストップウォッチ設定するヤツ、真似したくなるな……。

後スラヴィにいった

「お前自身は薄汚れた床で息絶える。九千八百ドルを蹴った所為で。……受け取るべきだった」

も好きな台詞ですね。

 

他に印象深いのは

マッコールが「十九秒。十九秒か……」って不満そうにいってるシーン、毎度のように

「いや十九秒なら十分だろ」ってツッコミを入れてしまうwww。

プラス三秒だぜたったの……。

三十秒余命カウントは嫌過ぎる。

 

 

後はやっぱりラスボスのニコライでしょうか。

名悪役といえば『LEON』のスタンスフィールド。まあ流石にスタンスフィールド程手強くはないし芸術性もないのですが、ニコライもなかなか肝が据わっていていいキャラしてます。

完全な敵同士ではあるけどちょくちょく小気味のいい深刻過ぎない遣り取りをするマッコールとニコライが魅力的ですね。

ニコライがなかなか見つからないといい、強キャラっぽい眼鏡が「おれなら見つける」といった後トイレで離席し、ニコライが帰りを待ってワインを飲んでいるところに血塗れの眼鏡が机に置かれて……からのマッコールの登場、そして

マッコール「彼は戻らない。(食べ物が残っているニコライの皿を見て)――満腹か?」

ニコライ「楽しい男だ」

ですよ。余裕過ぎる。ニコライからすれば予想外過ぎた筈なのに。

で、その後に突然マッコールが

「昔、ソ連の警部から――事件の話を聞いた。被害者の名は忘れた。

モスクワの学者で人道主義者だ。

自分の豊かさを分け与えようと思い子どもが五人いるのに養子を迎えた。

十二歳の少年だ。施設をたらい回しにされ――騒ぎばかり起こす暴力的な問題児だ。

――知ってるか?」

「いや。続けて」

「OK.少年は男の家で暮らし始めた……」

ですよ。いや聴いてる場合じゃねえしOKじゃねえだろ。

 

 

電話のシーンの

「やるじゃないかマッコールさん。――こっちから会いにきてやったぞ」

「そうか。じゃ待ってる」

もいいっすね。微笑んで行ってるんですよこれ。どちらも相手を殺そうとしているのに。

いや軽いんよ。友達との電話かよ。

余裕がある悪役ってカッコ良いな。

それも嫌味ったらしい余裕じゃなくて、まるで友達のような気さくさがある。

 

ただニコライとの戦闘シーンらしい戦闘シーンはなかったのがちと残念か。

意外とあっさり死ぬ。寧ろ鏡のおじさんの方が余程手強かったまである。

 

 

ラルフィの活躍はとてもよかった。

マッコールは一人でもクソ強い、強過ぎるんだけど、それだけで全て解決になるんじゃなくて、ラルフィが助けることで勝利する。友情。いいよね。

マッコールさんが

「みんなを逃がせ。誰も残すな」

といってラルフィ達を逃がし、ラルフィも出た……と見せかけてマッコールさんが絶体絶命になったところで引き返してきて

「誰も残すなと」

ですよ。コイツ……やる……!!

あんなに銃が沢山で人質にも取られて泣きそうになってて怖いだろうに、マッコールさんが強いのは見てたのに、それでも友達のために戻ったラルフィ、マジでいいヤツ。

しかも助けた所為で自分も脚と手を思い切り撃たれて負傷しているわ現在進行形でビシバシ弾がきているにも関わらず、マッコールさんが

「頼みがある。(略)ブレーカーを……四十秒後に入れろ」

「四十秒だね」

って頷いて返すんですよコイツ…………。

しかも足を引き摺って、転んででもきっちり任務を全うする。いいヤツ過ぎ。

マッコールがラルフィの警備員試験を応援するシーンもいいし、ラルフィの母親の家が〝小火〟を起こされてぐちゃぐちゃになっているところを手伝ってくれるマッコールさんもいいし、警備員になったラルフィのシーンよかったねえよかったねえってなったし、友情っていいよな……。

 

 

後は細かいところで気になった箇所。

 

警察は有刺鉄線首吊りやら頭ドリルの死体らをどう処理したのやら……?

マフィア同士の抗争とかで済ませられるもん???

 

いきなりあんな悪人捕まりまくってて偽札大量で、やべー議員の繋がりも発覚して……みたいなの、大事件になりそうだけどならんのかな。

警察内で俺達の手柄ってことにして処理するんかな。

普通に報道したらヒーロー登場したってなりそうだしな……。

 

 

イコライザーは2とTHE FINALがあるそうですが、どうかな。

2はぱっと見面白そうだったから観るけど、果たしてTHE FINALは。

 

まあこれは続編がそりゃ作られてもおかしくないだろうという映画だったね。

よかったです。

劇中で使われてた音楽もなかなかよかったな。劇中歌はなんだろ?