評価:17/100
作者:入間人間
感想もっと書きたかったんですが力尽きたので中途半端。
元々同作者の『嘘吐きみーくんと壊れたまーちゃん』が好きで(と、いっても原作とコミカライズの一巻までしか読んでいないが)、レビューを見たところ気になったのでこちらも読んでみました。
で、ネタバレになるから余り詳しくいえないが、求めているのと違った。
「そういうんじゃねぇんだよなあ……」ってなった。
自分は一回読んでエンドロールで「??????」となってしまったので余り騙された感はなくて……うーん、正当な評価ができないですね。
復讐についてはなんだかんだ考えられていたのでそこは参考になったかな。
後一部都合が良過ぎる展開があります。
グロいの苦手な人は読まない方がいいですね。序盤からグロいですし。
『断章のグリム』読める人なら大丈夫だと思います。
ボリュームはそこまでないので三時間とかで読めるんじゃないでしょうか。
入間人間先生の最初の作品として読むとちょっとアレかもしれません。
自分には刺さらなかったので……。
みーまー先に読んだ方がいいかも。
みーまーの一巻はとてもびっくりさせられました。
以下、ネタバレあり。
【登場人物】
【プロローグ】
・風間拓也(プロローグの主人公)
・東雲陽子(風間拓也の彼女)
・大柄な男(食人癖)
・老いた男(食人癖。車椅子に乗っている。ダンタクヤ)
・偉丈夫(食人癖)
・醜悪な容姿(食人癖)
【一~五章】
・水川(ダンタクヤの復讐相手①。幸せ家族。妊婦の娘がいる)
・土方(ダンタクヤの復讐相手②。息子がいる。息子の妻は水川の娘)
・風間(ダンタクヤの復讐相手③。車椅子の老人。ダンタクヤの彼女の祖父。火口の娘を合意の上で妊娠させた)
・火口(ダンタクヤの復讐相手④。金持ち。娘がいて娘は風間が好き)
・赤佐クリスティ(多分クリスティは偽名。車椅子の技師。羽澄の祖母)
・放火魔(女性。建物が燃えるのが好き。ちょっとは罪悪感あるけどついでに人が燃えてもやり続ける。ダンタクヤを燃やした罪悪感から火口を殺すダンタクヤを手伝う)
・ダンタクヤ(一章~エンドロールの主人公。食人癖があり、彼女を食べたかったのに水川達に邪魔されて食べられなかったという理由で水川達に復讐を決意する)
・ダンタクヤの彼女(風間の孫娘。名前は不明)
・ダンタクヤの祖父(故人。食人癖。羽澄の足を食べた。ダンタクヤと羽澄の祖父で赤佐クリスティの旦那)
・羽澄(車椅子の女の子。無口。右足を食べられた恨みを持つ)
時系列は一章~五章→プロローグ→エンドロール。
ダンタクヤは食人癖のある祖父(羽澄の足を食べた)の孫。
プロローグの主人公・風間拓也は
水川(一人目の犠牲者。幸せ家族)の娘×土方(二人目の犠牲者)の息子の子ども①
火口(四人目の犠牲者。金持ち)の娘と風間(三人目の犠牲者)の子ども②
の①と②を両親に持っていた。
ややこしい。
いわれてみれば
・肉が食べたい
・「好きなものは最初に食べる派(プロローグ)」→以降「好きなものは最後に食べる派」になっていた。
とはいっていたなあ……。
治るためには肉を食わねば、とか、彼女を重んじて(?)最後に食べるようになったのかと思っていたけども。
性格変わってるのはちょっと狂ったから、で。
確かに四人の老人(車椅子を含む)、俺だけ生き残った、とか振り返ると騙されるね。
ダンタクヤも怪しいババアには本名なぞ名乗らんぞ、という意味でダンタクヤで通しているのかと……。
元ネタわからなかったんだけどこの方のブログ
によると手塚治虫の『鉄の旋律』らしいですね。うーん、それは知らない。
小説内だと古い世代じゃないと知らないだろ、みたいな扱いだったけど、そんなに有名なのかな……?
手塚治虫作品はいくつか読んでいるけど俺は聞いたことなかったや……。
自分は一周目でエンドロールを理解できなかったので騙された感がなかったから叙述トリックに関しては正当な評価ができない……ここが一番大事なんだけどねぇ……。
『本当に飢えていたのでこの際、ババアでも食ってやろうかと思いかけた』はマジでそのままの意味だったんかい。あそこ笑ったんだけど。
・プロローグ、展開がいきなり過ぎるだろ!(それは別にいい)
・いやそのまま食うのは無理じゃない!?
普通に指齧ってるけど。
というか生きたまま食う必要性を感じられない。しかも生。
皮膚とか結構硬い気がするんだが。爪とか骨とか毛とかもさ……。
まあそれはフィクションだからしょうがないか。
残酷さを重視したんだろう。
・羽澄が結局よくわからなかったな。
一言も喋らないし。
まあいなくても成立したかもしれない。
そこまで魅力のないキャラだと思った。
ヒロイン要素が欲しかったのか。
・赤佐クリスティが羽澄と仲良くさせようとしたり人が殺されるのをわかっていながら協力したのもよくわからん。
・バアさんとの遣り取りは好きだったなー。
・ダンタクヤにとっては正当な理由だったんだろうけど、確かに殺されかけはしたけど、家族まで皆殺しってのはねぇ……ここまで恨むの狂気過ぎるだろ。
特に水川さん一家がかわいそうで仕方ない。なんの罪もない幼女を一思いどころかあんな苦しめてから殺す必要無かっただろ。
いやダンタクヤにとっては真っ当な復讐なんですけども。
うーん、理由がくだらなさ過ぎてちょっと、ねぇ……。
そりゃ食い物の恨みは怖ろしいけどもさ…………。
真実がわかるとあそこ胸糞過ぎるな……。
・四賞タイトルの『く歩』って意味わからんかったけどそういうことね。
逆立ちだからね。
・てっきり珈琲に毒を仕込ませるのかと思ったわ。
流石にジジ専で子どもまで作って……というのは都合良過ぎないか……?
という気はする。しかも火口の娘だから警戒もされないし。
・ご都合主義といえば放火魔見つけてるのもそうかもしれない。
自分はまあそこまで気にはならなかったけど。
・でも右手だけで逆立ちして階段を下りるとか足でナイフを投げるとか究極できないことはなさそうなでも意外な方法で達成したのはよかったです。
個人的にここはご都合主義にカウントしない。
・〝間違った〟復讐劇ではあるが、復讐についてはなかなか考えられている感じで参考になった。
・ダンタクヤって復讐の後どういう人生を歩んだの?
お金も余り稼げなさそうなのに偉そうな感じなんだけど。
ご隠居とかいわれてるし。謎。
・ダンタクヤの〝たったひとつの、ねがい〟はいまいちわからんなー。
いや早く楽にしてくれって感じなんだろうが。
永遠に苦痛の中で意識はあり続ける……みたいなのってそこまでメジャーな考えじゃない気がするのよね。
SCP-2718みたいなのはね。
折角のタイトル回収なのにいまいちピンとこなかった。