くろめの記録置き場

ドラマや映画の感想等の備忘録。(あくまで個人の感想です)

映画『ジェイコブス・ラダー』感想

視聴日:2023/08/12

 

評価:65/100

 

一言:ラストで全てが台無し。ラストさえ違えば名作になり得た、惜しい映画。

それでもどちらかといえばおすすめには入るだろう。

本当にラスト三分程度がアレだが、それまではテンポもよく展開も読めずハラハラと楽しめる。

ラストで台無しなので、DVDは欲しいが八百円くらいで売っていたら買う、くらいの好きさである。

 

ジェイコブ役の吹き替えは山寺宏一さん。

ジェジー役の吹き替えは『BLACK LAGOON』のシェンホアや『ちびまる子ちゃん』のおばあちゃん役の佐々木優子さん。

チョイ役ですが黒人の元軍人は『ER緊急救命室』のベントン先生役のエリク・ラ・サルさんが演じています。

息子のゲイブはホーム・アローン前のマコーレー・カルキン(金髪の男の子)。

 

ゲームの『サイレント・ヒル』はこの映画に影響を受けているとか。

 

 

ネタバレ無しの感想。

 

 

これはねぇ……ほんっっっとうに惜しいね…………。
ラストさえよければ名作になり得た…………。
ラストで全てを台無しにした……………………………。

ジェイコブス・ラダー』、映像はめちゃくちゃいいです。本当に怖い。
病院のグロシーンはグロいし、怪物は怖いし、よくこんな怖い妄想を映像化できるなあと思う。
話もずっとハラハラしていたし、展開が読めなかった。


妄想なのか現実なのかがわかり難くて話がごちゃつく映画もあるけど、これはどっちなんだとは思うもののごちゃついてストレスが溜まる感じがしない。
怪物のようなわかり易い妄想と、ガチなのかわかり難い妄想……とガチの現実があり、そこがうまいと思う。

あらすじでベトナム戦争によるPTSDの妄想でおかしくなっている……と思いきやそうでない部分もあり、ハラハラさせられるのがいい。
役者さんの意味深表情やカットも怖いから家族以外は誰を信じたらいいのかわからなかった。
いや、うん、怖いよ。なかなかに面白かった。
ラストまでは……。

ラストはネタバレになるからいえないんだけど……。
なんでこんなオチにした! いえ!
求めてたオチじゃねぇんだよな…………納得が行かないという意味で。
未公開シーンだともう少しストーリーが違ったようなので、もしかしたらそっちの方がよかったのか、いやラストの階段の後だけなんとかしてくれたら……。
実は×××ましたとか×××ましたとかそういうのの方がよかったんだ……。
映像もストーリーもなかなか怖く、ハラハラさせられただけにラストだけが本当に惜しい。
これさえ違えば他人におすすめできる名作になり得た……まあ謎も残るが……。

因みに日本語吹き替え版はジェイコブ役が山寺宏一さんなので有り難い。
まさかこんなところでもお会いできるとは!
しかも黒人の軍人役が『ER緊急救命室』のベントン先生の役者さんで、「なんか見たことある顔だが!?×3」ってテンション上がった。
ジェイコブス・ラダー』に出てたんだな~!!

ところでサラの家、あれどうなってんの? あのおじいさんなに?

執事にしてはちょっと他人行儀過ぎるし、ドアマン……??? どういう家???

 

以下、ネタバレありの感想。

 

 

 

 

 

 

 

 

ラ ス ト で 台 無 し 。 

 

こんなの「はい全部夢オチでしたー」と一緒だろうが。

というかそうだろうが。

サラの家にきて椅子に座ったところで、これから家族殺すのかなとか実は家族死んでるのかなとか人質に取られちゃうのかなとかそれとも実は事故の時点でジェイコブ死んでてるのではとか色々考えたさ……。

酷いENDだけどそっちの方がよかったね。あんな終わり方ならね。

全部夢でしたーは無いでしょ。せめて事故の辺りとかから夢ならいいけどさ。

恋人も奥さんも仲間と戦おうとしたこともあの化学者も全部夢?

流石に死に際に見る夢にしちゃ壮大過ぎて無理でしょという気持ち。

そんな込み合った走馬灯(存在しない)があるか。しかも結局夢の中でも幸せじゃない。せめて幸せな夢を見ろ。

 

なんでジェイコブが動く前からいきなり軍が動き出したのか、何故皆が一斉に戦争でのことを思い出した(? のかな。皆一斉に取り下げてたから思い出したとしか思えない)のかもわからない。

化学者が半年前だか一月前だかにカールソン先生が亡くなったといっていたけれど、病院の受付の人(どう見てもベテラン)がそれを知らないのもおかしい。

病院で警備員がジェイコブをあんなとっ捕まえようとすんのもよくわかんないしなーそりゃ大声は上げたが酷く暴れ回ったわけでもなく、お目当ての先生がいなかったから出て行っただけなのに。そんで庇って警備員を引き留める患者もおかしいし。

矯正師もいいヤツなのか手先なのかよくわからん。イカレとるのはわかるが。そこも結局謎。

あの妄想世界、結局ハッピーエンドとか解決法は無いんだろうか。

軍という組織が動いてはもう消されるしか無いのだろうか。

そういう謎とかどうなるのとか、考えても無意味なのがかなしい。

〝ラダー〟の意味がとうとう出てきて、それも随分悪趣味な意味で、実は仲間同士殺し合っていた……っていうのは最高だったんだけどな。

まあ流石に敵味方の区別付くかどうか調べとけや素人でも考え付くわどんだけ頭悪いねん軍は、と思ったけど(しかも化学者指摘してるしね……よっぽど追い詰められていたのか知らんけど)。

軍のやべー薬は実在したのか、現実でもジェイコブは味方に殺されたのか、それとも普通にあの時敵にやられたのか……結局のところわからずじまい。

PTSDによる幻覚妄想かと思ったらそうじゃなくて、「え、ガチ!?」ってなって展開が読めなくなったのは面白かったのになあ……。

 

あ、後ジェジー写真燃やすな。他はなんだかんだやさしいけどそこがクソ。

悲鳴上げて倒れた時も情けないとかいってたし……もっとやさしくしてあげて…………。

二週間悪魔の本読んで引きこもって全然返事しないのは苛つくだろうからそこはしゃあないけど。

 

特典映像では化学者が解毒剤を用意して注射してたけど、ああいう展開も考えていたのかなあ。そっちも観たかったな。だってラストが、ねえ……。

でも使うのは初めてって、効くんか? という。それも一滴薬を飲んだだけで。

治療なのにあんな酷い悪夢見るのもどういうこっちゃねん。あそこの映像すごいけど。どうやってるんだあれ。